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  • ymhy2018

遺言書の検認とは?

家族が亡くなった後、金庫から遺言書が見つかった…そんなときどうすればよいのでしょうか?

封をされた遺言書は、勝手に開けてはいけません。必ず裁判所に持っていく必要があります。これについては民法に規定があって、次のように書かれています。

遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。(民法第1004条)

また、民法第1005条では、『前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、5万円以下の過料に処する。』と書かれていて、罰金もアリという結構厳しい規定が設けられています。

これは、遺言書があることを広く相続人の皆さんに知らせて、遺言書の中身を確認し、偽造や変造を防いで遺言書に基づく遺産分割がスムーズに行われることを目的としています。

検認してもらいたい時には、まず裁判所に申立てを行います。申立てが受理されると、相続人全員に裁判所から通知が来ます。『○月○日に検認手続きを当裁判所で行いますので来てください』という内容です。当日に全員が揃わなくても検認手続きは行われます。集まった相続人の前で遺言書を開封し、内容を開示します。

検認が終わると、検認済証明書を裁判所が発行してくれます。この検認済証明書がないと、遺言書に書かれている不動産の所有権移転登記はできません。遺言書だけ添付して土地や建物の名義を遺言書に書かれている相続人に移すことはできないのです。ということで、特に不動産の名義を変更する場合には検認手続きは避けて通れません。これは封をしていない裸の遺言書であっても同様です。

なお、公正証書遺言や、法務局での遺言書保管制度を利用した場合は、裁判所での検認手続きが免除されます。

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