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遺言書と日付・押印

遺言書には必ず日付を記載しなければならないと法律で規定されています。(民法第968条第1項)そのため、この日付が入っていない遺言書は無効となってしまいます。

『令和2年2月22日』とシンプルに記載すればいいのですが、中には判断に迷うような遺言書もあって、裁判沙汰になっています。

例えば、『長野オリンピック開会式当日』と書かれた遺言書はOKとなっています。長野オリンピックの開会式が平成10年2月7日であることは、まぎれもない事実だからです。

このように、わかりにくい書き方をしてあっても、日付が特定できる限り、遺言は有効なものとして扱われます。

『令和2年2月吉日』といった場合はどうでしょうか?

この場合『吉日』が何日を指しているのか分からないため、有効な日付として認められず、遺言書は無効となってしまいます。

このように、遺言書の日付は奇を衒わず、シンプルに書くのが一番だと思います。

『吉日』の遺言書の効力は、なんと最高裁まで争われました。遺言書をめぐって長年にわたり親族が血みどろの争いを続けてきたことがうかがい知れる事例です。

このような無用の争いを避けるためにも、日付はシンプルに書きましょう。

また、遺言書には押印も必要です。この押印は実印、三文判、何でもよく、とにかく押印がされていれば問題ありません。また、指印でもOKとされています。(最高裁判例)

ですが、やっぱり遺言者の本気度を示すために、実印を押印するのが一番望ましいと思います。(公正証書遺言では実印を押印します)

実印を押印して、遺言書日付の印鑑証明書を1通添付しておくのが個人的にはベストかなと思います。三文判だと偽造を疑われる可能性もあります。もちろん実印だからといって偽造の可能性が拭われるわけではないですが…

余談ですが、『花押』(戦国大名が書いているような記号)はダメという最高裁判例が最近出ています。

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